「慰安婦というのは日本軍のための売春婦以外の何者でもない(A “comfort girl” is nothing more than a prostitute)――」

 日本軍の慰安婦とは「性奴隷」でもなく、「組織的な強制連行」の産物でもなく、単なる軍人用の売春婦だったのだという判定が、第2次大戦中に米国陸軍当局によって下されていた。この事実はいま改めて取り上げられ、重視されるべきである。

 慰安婦問題に関する朝日新聞の虚報が明らかになり、日本が濡れ衣を晴らさなければならない現在、この米軍の調査結果の資料は新たな意味を発揮する。米国などからの「日本軍が組織的に女性20万人を強制連行し性奴隷に貶めた」という糾弾がまったくの冤罪であることを証明する証拠は、ここにも存在するのである。

慰安婦は「職業的な軍隊随行者」

 上記の結論を出したのは米国陸軍戦争情報局心理作戦班が作成した「日本人捕虜尋問報告」である。作成されたのは、第2次大戦がまだ激しく続いていた1944年10月であった。場所は日本軍が米英軍と戦闘していたビルマ地域だった。ビルマのミイトキーナを占拠していた日本軍を米軍が撃破し、付近の掃討作戦で捕虜とした日本軍の慰安所所属の朝鮮出身女性20人と、その管理にあたっていた日本人民間人2人を尋問した結果である。

 報告書は、英文でびっしりタイプ打ちされた書類計7ページからなる。1973年に米国で公開されて以来、日本でもあちこちで紹介されてきた。慰安婦に関する資料としてはよく知られる報告書である。だが、慰安婦問題をめぐる状況が国際的に変化してきた現在こそ、その重要性は改めて高まっていると言ってよい。