米IT大手のヒューレット・パッカード(HP)が会社を2つに分離する計画だと複数の海外メディアが報じている。早ければ米国時間の10月6日にも発表される見通しだという。

 それによると、HPはパソコン・プリンター事業を、法人向けハードウエア・サービス事業から切り離し、別会社にする計画。

経営再建中のホイットマンCEO、選択肢狭まる

米ヒューレット・パッカードが分社化を計画、WSJ報道

AFPBB News

 これにより、現在、パソコン・プリンター事業のエグゼクティブバイスプレジデントを務めているディオン・ウェイスラー氏が新たなパソコン・プリンター会社のCEO(最高経営責任者)となる。

 また、HPのCEO兼社長で、会長も務めるメグ・ホイットマン氏は、引き続き法人向けハードウエア・サービス会社のCEOとなり、パソコン・プリンター会社の会長にも就く。法人向けハードウエア・サービス会社の会長にはパトリシア・ルッソ取締役が就任するという。

 HPは現在、5年間の経営再建計画の途中段階にある。米Re/codeによると、同社はこれまで「資産最適化」と呼ばれる非中核事業の売却計画を進めてきたが、これがことごとく失敗に終わり、ホイットマンCEOには選択肢がほとんど残っていないという。

 Re/codeによると、まず同社は、パソコン大手の中国レノボ・グループ(聯想集団)と米デルに対し、パソコン事業の売却話を持ちかけた。だが、レノボとデルはいずれもその提案を拒否した。

 次に同社は、インドのITサービス大手である、ウィプロとインフォシスに、ITサービス部門の売却を打診したが、2社から拒否された。

 さらに同社は、米IBMにアプローチし、法人向けサーバー事業の売却を提案した。だがこれも断られた。

EMCとの合併交渉も打ち切り

 またHPは、過去1年間、データストレージ大手の米EMCと事業統合の話を進めてきた。これがまとまれば時価総額1300億ドルの巨大IT企業が誕生するはずだった。しかし、米ウォールストリート・ジャーナルによると、その協議は最近になって打ち切られた。