米ヒューレット・パッカード(HP)が21日に発表した5~7月期の決算は、最終損益が13億9000万ドルの黒字となった。
同社では1年前の5~7月期に買収企業の減損処理で赤字を計上、その次の8~10月期も買収企業の不正会計問題で減損費用などが膨らんで赤字を計上していた。
その後の同社の最終損益は、12億3200万ドル、10億7700万ドルといずれも黒字。今回も減損処理やリストラ費用が減り、3四半期連続の黒字となった。
主要部門のトップ交代、今年2度目
だが売上高を見ると同社の業績が芳しくないことが分かる。この5~7月期の売上高は1年前から8%減の272億2600万ドル。
パソコン、サーバー、ビジネスサービスといった事業部門が軒並み振るわず、全体の売上高は8四半期連続で前年割れとなった。
同社は2011年9月に就任したメグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)の下で経営再建中。
しかし今回の決算では、主力のパソコン事業の売上高が1年前から11%減と最も落ち込みが激しい。売り上げ規模が2番目に大きいサーバーなどの企業向け製品部門も同9%減少している。
こうした業績不振を受け、HPはこの日、この企業向け製品部門「エンタープライズ・グループ」のトップ交代を発表した。
ビル・ベグティ最高執行責任者(COO)が即日付で同部門担当のエグゼクティブバイスプレジデントに就任。前任者のデーブ・ドナテリ氏は今後、企業買収などを通じて初期技術を獲得する業務を担当する。これに伴い同社はしばらくCOOが不在となるが、当面は新たなCOOを探さないとしている。
HPが主要事業部門のトップ交代を発表するのは今年に入って2度目となる。