今年の夏、梅雨真っ盛りの豪雨の中、川の多いソウルではたびたび道路が冠水したというニュースが流れた。それと同時に「シンクホール」という聞き慣れない用語がメディアに登場するようになった。

 「シンクホール」とは、突然地面が陥没し、地表に大きな穴が開く現象を言う。土壌や地盤の浸食、建造物の浸食などにより地中の空洞化が進んだ結果引き起こされると考えられている。

 6月29日、ソウルの芳夷(バンイ)洞(町の名前)で直径60センチのシンクホールが発見されてからこれまで、9つのシンクホールが続々と発見された。

 その中でも最も大きかったのは、8月5日に石村地下車道で発見された直径2メートル50センチのものである。特に、雨の降る中、急にできた道路の穴に自動車の車輪がはまった写真はSNSなどで広まり、シンクホールの深刻さを訴えた。

ソウルの街に次々と生じた路面の陥没

建設中の第2ロッテワールド

 現在、韓国では旅客船の沈没事故以来、安全に関してとても神経を尖らせており、市民たちは日常の中に潜む不安を目の当たりにしてとても恐怖心を煽られた。

 さらに、SBS放送の「ニューストーリー」という報道番組では新たな事実を突きつけ、韓国の国民を震撼させた。

 この報道によると、最近たて続けに現れた蚕室(チャムシル)のシンクホール現象と第2ロッテワールド工事とに関連性が見られるというのだ。

 ロッテは2011年11月から第2ロッテワールド建設の工事を始め地下6階まで地下駐車場を建設するために、2度の掘削作業を実施し、これによって地下水の流出量が5倍になったという。

 ロッテ側はこれを全面否定したが、問題を深刻に受け止めたソウル市の市長であるパク・ウォンスン氏は「ロッテタワーとシンクホールの関連性を綿密に分析し、これを防ぐ方法は何なのかを調べ、総合的な対策が必要である」として、民間の調査委員会を立ち上げ調査を進めた。