市場調査会社の米IDCがこのほどまとめた世界のスマートフォン市場に関するリポートによると、今年の年間出荷台数は、前年比23.8%増の12億5230万台となり、引き続き堅調に推移するという。
ただ、スマートフォンの出荷台数は昨年10億台の大台を突破するなど、ここ数年急成長してきた。
昨年における前年比伸び率は38.4%となっており、こうした過去の実績と比べると今年の伸び率は低い。
そしてこの成長鈍化の要因となっているのが成熟国市場だという。
成熟国のスマホ成長率が著しく鈍化
IDCの推計よると、今年の新興国市場における出荷台数は前年比32.4%増と、高い水準で伸びる。これに対し成熟国市場は同4.9%増にとどまり、成長は著しく鈍化する。今後もこの傾向は続き、2018年までの年平均成長率は新興国が16.0%、成熟国が3.6%になると同社は予測している。
IDCがここで言う新興国市場とは、アジア太平洋地域(日本を除く)、中南米、中・東欧、中東、アフリカなど。成熟国市場とは米国、西欧、日本、カナダなどだ。
同社によると、世界出荷台数に占める新興国市場の割合は3年前に50%を超えていた。この数値はその後も上昇しており、今年は73.5%、2018年は79.5%に達する見通しという。
今後のスマートフォン市場の成長は、こうして新興国が牽引していくとIDCは予測する。
また、この調査で興味深いのが、ファブレットと呼ばれる大型ディスプレイを備えるスマートフォンの動向だ。推計によると、今年のファブレットの全出荷台数に占める割合は14.0%。これが2018年には32.2%になるという。
先頃、米アップルがメディア関係者などに向けて、9月9日(米国時間)に開催するイベントの招待状を送ったと伝えられた。アップルはその会場でかねて噂されていた4.7インチと5.5インチのアイフォーン(iPhone)を発表すると見られている。