8月26日の日本経済新聞は1面で、日本政府がバングラデシュに対し6000億円規模の支援を行うことを伝えた。日本政府がバングラデシュのベンガル湾沿海部での産業地帯建設の支援に乗り出し、電力や鉄道などインフラ整備に協力する。安倍晋三首相は9月6日にバングラデシュの首都ダッカを訪問し、ハシナ首相と会談を持つ。
産業地帯の建設は、首都ダッカに次ぐ第2の都市であり港湾都市であるチッタゴンを中心に行われる。鍵となるのが、南東部のマタバリ地区に建設中の、1200メガワット(600メガワット×2基)の超々臨界圧石炭火力発電所である。これが完成すれば電力供給が増強され、産業地帯建設が現実のものとなるという。
他方、ダッカ~チッタゴン間の高速道路建設も進んでいる。2011年から着工されているが、2014年末までには全体の計画の半分を終える予定だ。これは中国が一部工事を請け負っており、その進行状況は思わしくないが、現地最大手の建設会社は「残りの部分は2016年末に完成するだろう」と見込んでいる。
これまでバングラデシュは安価な労働力と市場の可能性が期待されながら、インフラ整備の遅れのため、日本企業はバングラデシュへの投資に二の足を踏んできた。それだけに、発電所や高速道路の開通がもたらす成長への期待は大きい。