中国当局は、政府機関が購入するIT関連機器から米アップルの製品を締め出したようだ。米ブルームバーグが伝えるところによると、中国国家発展改革委員会(NDRC)と財政省が配布した調達リストから、アップルのタブレット端末「アイパッド(iPad)」やノートパソコン「マックブックエア(MacBook Air)」など合計10製品が除外されたという。

ウィンドウズ8やシマンテックも除外

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今度はアップル製品が中国政府機関が購入するIT関連機器の調達リストから外された模様〔AFPBB News

 6月にまとめられた草案ではこれらアップル製品はリストに入っていたが、7月に配布された最終調達リストで外された。理由はセキュリティ上の懸念だという。

 一方で、米デルや米ヒューレット・パッカード(HP)、中国レノボ・グループ(聯想集団)の製品はリストに入っている。ただしこのリストは来年の1月に見直しが行われるとブルームバーグは伝えている。

 こうした外国企業のIT製品については、これまでにも同様の措置が取られてきた。例えば今年5月、同国の中央政府調達センター(採購中心)が「政府調達のパソコンにはウィンドウズ8以外のOSがインストールされなければならない」とする通達を出した

 ここ最近は、米シマンテックと、ロシアのカスペルスキー・ラボが同国のアンチウイルス製品メーカー認定リストから除外され、代わりに奇虎360科技(Qihoo 360 Technology)などの中国企業5社が認定された(ロイター通信の報道)。

中国、スノーデン問題以降、監視を強化

 米国家安全保障局(NSA)の元契約職員、エドワード・スノーデン氏が米当局の情報収集活動を暴露して以来、中国は外国のIT製品に関するセキュリティ上の問題を取り上げるようになった。今年5月には、米司法省が米企業などに対するサイバースパイの容疑で人民解放軍の将校5人を起訴したと発表したが、こうしたことも重なり、中国当局は米国批判を強めている。

 5月下旬、中国政府は国家安全と公共の利益を守るためとして、外国企業のIT製品やサービスに対する検査を強化すると発表。その数日後には国内の銀行に対し、米IBM製サーバーを撤去して国内製品に置き換えるよう政府が迫ったと伝えられた