中国国営の新華社通信によると、米マイクロソフトは中国のインターネットセキュリティ企業、奇虎360科技(Qihoo 360 Technology)と提携したもようだ。両社はモバイルインターネットや人工知能の分野で協力していくという。
提携相手は中国の有力企業
マイクロソフトの製品を巡っては、同国の中央省庁が購入するコンピューターに「ウィンドウズ8」を搭載することを禁じる通達が出されるなど、同社は中国で厳しい状況に直面している。
そうした中、マイクロソフトは中国企業と技術提携することで、同社製品に対する懸念を払拭したいと考えているのではないかと英ロイター通信は伝えている。
マイクロソフトが提携した奇虎360科技は同国で実績を持つ有力企業。その製品には、セキュリティソフトウエアやウェブブラウザー、検索エンジンなどがあり、奇虎360科技はモバイルアプリのオンラインストアも運営している。
マイクロソフトのアジア太平洋地域における検索技術研究所「マイクロソフト・サーチテクノロジーセンター・アジア(STCA)」の関係筋の話によると、両社はまず、モバイルインターネット製品で連携を開始し、そのあと人工知能に関する技術交流を進めるという。
ただ、ロイターによると両社はコメントを控えており、現時点で提携に関するこれ以上のことは明らかになっていない。
中国メディア、「米国IT企業には厳罰を」
中国では、米国家安全保障局(NSA)の元契約職員、エドワード・スノーデン氏が米当局の情報収集活動を暴露して以来、米国IT企業の製品に対するセキュリティの懸念が取り沙汰されている。
同国の国営メディアは米国のテクノロジー企業を米政府の「手先」と表現し、中国当局に対し厳罰を科すよう求めている。
そうした米企業にはマイクロソフトのほか、米IBM、米シスコシステムズ、米グーグルなどがあるが、中でもマイクロソフトは厳しく非難されている。