ドイツのNGOに関わっている三女Yが、6月9日より3日間、ヨルダンのシリア難民キャンプを訪れた。以下はそのリポートの訳である。

砂漠の中、11万人もが暮らすシリア難民キャンプ

シリア難民のキャンプへ、荒涼とした砂漠を走る(写真提供:筆者、以下同)

 これ以上のコントラストは考えられなかった。ヨルダンの首都アンマンから車で北東へ、埃っぽい、混沌とした道を抜け、一途シリア国境に向かう。

 それは、ガラス張りの高層ビルの林立する近代都市から、乾いた、何も生えない砂漠に向かう旅だ。目的地は、シリアからの難民を収容しているザータリ(Za’atari)キャンプ。

 1時間半ほど走ると、遥かかなたの地平線に白い広がりが見えてきた。ザータリキャンプだ。

 2011年8月、このキャンプは、シリアからの難民の急増に対応して、たった10日のあいだに建設された。 当時、毎日3000人のシリア人が国境を越えてヨルダンに入ってきていた。

 6万人を収容する予定で作られたそのキャンプに、今では、11万以上の人が住んでいる。世界で2番目に大きな難民キャンプだ。永遠とも思えるテントの連なり。さらに近づいていくと、柵と鉄条網が見えてくる。

 キャンプの入り口には、チェックポイントがあり、ヨルダン軍の兵隊が、人の出入りを昼夜見張っていた。車のトランクが調べられ、私たちも身分証明を提示する。厳重な警戒だ。

柵と鉄条網に囲われたザータリキャンプ