ついにこの日がやってきたと言えるのかもしれない。米マイクロソフトは先週金曜日、ノキアの携帯電話事業の買収手続きが完了したと発表した

携帯電話からゲーム機まで、大規模グループ誕生

マイクロソフトがノキアの携帯電話事業を7000億円超で買収

ノキアの買収手続きがついに完了、ノキアはマイクロソフト・モバイルとして再出発する〔AFPBB News

 これにより2万5000人の従業員を抱える同事業は、「マイクロソフト・モバイル」に改称される。またこの事業は、ハードウエアを手がけるマイクロソフトの「デバイス」部門に移管される。

 これに伴い、マイクロソフト出身で、ノキアの携帯電話事業トップを務めていた、スティーブン・エロップ氏がマイクロソフトに復帰し、4月25日付でデバイス部門担当エグゼクティブ・バイスプレジデントに就任した。

 今回の事業買収で、マイクロソフトのデバイス部門はかつてないほどの大規模グループとなる。

 その取り扱い製品は、ノキアのスマートフォン、タブレット、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)、そしてマイクロソフト製品である、ゲーム機「エックスボックス(Xbox)」、タブレットPC「サーフェス(Surface)」、大型マルチタッチディスプレイ「パーセプティブ・ピクセル(Perceptive Pixel)」などだ。

 マイクロソフトはかねてソフトウエア企業から「デバイスとサービス」企業へ移行することを目指していた。そうした中、同社のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は4月初めに新たな戦略を打ち出した。

 画面サイズが9インチ以下のスマートフォンとタブレット端末に対し、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を無償化するというのだ。同じく無償で提供されている米グーグルの「アンドロイド(Android)」への対抗措置だ。

 しかし、これは創業以来パソコン向けOSとアプリケーションソフトの販売を主力事業にしてきた同社にとって異例のこと。クラウドやアプリなどのサービスと、モバイル端末をはじめとするデバイスで稼ぐという戦略だが、市場はすでに競争が激化しており、果たして成功するのだろうかと疑問の声も少なくない。