(米「パシフィックフォーラム CSIS」ニュースレター、2014年27号)
By Youngshik Bong & James J. Kim

 日本と韓国の指導者の間で交わされた極めて辛辣な言葉のやりとりによって、日韓関係はいささか刺々しい雰囲気で取り囲まれている。その雰囲気を考えると、オバマ大統領が今回のアジア歴訪でソウルに立ち寄る決定をしたことは賢明なことである。

 今回の訪問によってアメリカは東アジアにおける最も重要な2つの同盟国にアメリカの関与および優先事項に関して適切な意思表示をすると同時に、より目に見える成果を得られる課題に対する日韓の外交政策の取り組みを、もう一度考え直す機会を与えることになる。

オバマ大統領に味方になることを求めても無駄

 安倍晋三首相や彼の側近による、いたずらに危険を煽る国粋主義者的なレトリックは、この地域でのアメリカの立場を支援するのに何の役にも立たない。また核武装を進める北朝鮮や、台頭する中国がもたらす、より直接的な難題に対応しているわけでもない。むしろそれは、韓国での安倍首相の評判が金正恩より低いという、今や非常に深刻な日韓関係のさらなる悪化の一因となっている。

 安倍政権の歴史問題に関する対応の仕方に韓国が示す敏感な反応は理解できる。だが、オバマ大統領の4月の訪問時にこのような深い感情の相違の解決を望んでも、朴槿恵(パク・クネ)政権にとって利益になることはないだろう。

 その理由の1つは、最近のエジプト、リビア、ベネズエラ、ウクライナの危機に対する政策でも分かるように、アメリカの外交政策の動向は背後で指揮を執ろうとする意図を示しているということである。

 また、アメリカ政府の公的立場は、2013年12月の安倍首相の靖国神社参拝の直後に在日米国大使館のホームページに公表されたように、「安倍首相の過去への深い反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する」というものであった。確かに米国大使館が日本のリーダーシップに対する「失望」を表明したのは初めてのことであったが、最近の出来事から考えると、歴史問題に関する大胆な発言や断固たる行動をオバマ大統領に期待することは現実的ではないと言えよう。

 皮肉な話だが、この問題が提起されるとその結果がどのようになるか興味深いヒントを歴史が教えてくれる。オバマ大統領の差し迫った訪問を取り巻く状況は、2006年にブッシュ大統領と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との間で行われた首脳会談とほとんど似たようなものである。当時、ノ・ムヒョン政権は、島根県が2月22日を「竹島の日」と宣言した条例を制定したこともあって、小泉純一郎首相との首脳会談を一時中断していた。そして、日本が第2次世界大戦中に犯した植民地支配の過去や罪に対する反省がないことへの韓国の不満をアメリカ側に対して何度も表明しようとしたが耳を傾けてもらえなかった。