米マイクロソフトはまもなく、フィンランド・ノキアの携帯電話事業の買収手続きを完了させるようだ。
25日に海外メディアによって公表されたマイクロソフトの社内電子メールによると、現在ハードウエア部門の責任者を務めているジュリー・ラーソン-グリーン氏がまもなく別の部署に異動する。
マイクロソフトのハードウエア部門は大規模組織に
マイクロソフトでは同社出身で、ノキアの前最高経営責任者(CEO)のスティーブン・エロップ氏が事業移管に伴いマイクロソフトに復帰し、ハードウエア部門のトップに就く予定。このためラーソン-グリーン氏がその役職から退くという。
マイクロソフトは昨年7月、「1つのマイクロソフト」というスローガンの下、大規模な組織再編を行った。これにより誕生したのが「OS」「デバイス&スタジオ」「アプリケーション&サービス」「クラウド&エンタープライズ」という4つのエンジニアリング部門。
この時、ラーソン-グリーン氏は「デバイス&スタジオ」の責任者に就任した。この部門は、タブレットPC「サーフェス(Surface)」やゲーム機「エックスボックス(Xbox)」といったハードウエア製品、ゲーム開発などを手がけている。
しかしその2カ月後、マイクロソフトはノキアの携帯電話事業の買収を決め、当時ノキアのCEO兼社長だったエロップ氏をマイクロソフトに戻し、デバイス部門のトップに就かせると約束した。
報道によると、買収手続きは今後数週間以内に完了する見込み。手続きが終わればマイクロソフトのデバイス部門には、エロップ氏が率いる携帯電話事業が加わり、大規模な組織となる。
ノキアとマイクロソフト、モバイル市場で苦戦
ただし携帯電話市場は競争が激化している。マイクロソフトにはシェア拡大という大きな課題があり、エロップ氏と、今月就任したサティア・ナデラCEOの手腕が試されそうだ。
米IDCの調査によると昨年1年間における、世界の携帯電話出荷台数は、韓国サムスン電子が4億4670万台で首位。この後、ノキアの2億5100万台、アップルの1億5340万台、韓国LGエレクトロニクスの7000万台、中国ファーウェイ(華為技術)の5550万台と続いた。
このうち1年前に比べて伸び率が高かったのはLGとファーウェイで、それぞれ23.6%増と16.7%増。またアップルは同12.9%増、サムスンは同9.1%増。上位5社の中でノキアだけが同25.2%減と大きく落ち込んでいる。