米PCワールドが引用した英カナリスの中国スマートフォン市場調査によると、昨年10~12月期における「アイフォーン(iPhone)」の出荷台数はほぼ700万台となり、四半期出荷台数の記録を更新した。
だが、メーカー別の出荷台数ランキングで米アップルの順位は6位に後退した。中国では地元メーカーの小米科技(Xiaomi)が急成長しており、10~12月期は730万台を出荷、アップルを抜いて5位に浮上した。
小米科技の旗艦モデルは「iPhone 5s」の半値以下
これに先立ちカナリスが報告していた昨年7~9月期の出荷台数ランキングは、韓国サムスン電子、中国レノボグループ(聯想集団)、酷派(クールパッド)ブランドの中国・宇竜計算机通信科技(ユーロン)、中国・華為技術(ファーウェイ)、アップルの順だった。
中国市場では依然これらメーカーが強い。だが旺盛な需要を支えているのは低価格端末のため、この分野に力を入れている小米科技が伸びているという。
例えばアイフォーンの上位モデル「5s」の補助金なしの価格は5288元(872米ドル)からだが、小米科技の旗艦モデルである「Mi3」は1999元(330米ドル)からと、5sの半額以下。さらに小米科技には「Hongmi」という廉価モデルがあり、こちらは699元(115米ドル)となっている。
小米科技は最新の部品を搭載するスマートフォンを安価に提供するメーカーとして知られている。これにより利益率は低下するが、端末を通じてソフトウエアを販売することで収益を上げようとしている。
また同社のスマートフォンも米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を採用しているが、自社で設定を施し独自の仕様にした「MIUI」というOSを搭載している。
米コンピュータワールドによると、このMIUIは利用者の意見を取り入れて改良が続けられており、新版が毎週リリースされている。この仕組みが顧客に支持されているという。
スマホの世界市場、200ドル以下が4割強に
別の調査会社、米IDCがまとめたリポートによると、昨年1年間の世界全体のスマートフォン出荷台数は10億960万台だった。このうち200ドル以下の端末が全体の42.6%に当たる約4億3000万台を占めている。