日系企業にとって、ベトナムへの投資は、今が絶好のチャンスである(「親日国ベトナムへの投資機会をいかせ」参照)。
ただし、有望な現地パートナーを見つけて、そこと提携(含む資本出資)していくことは、正直、容易ではない。
二重帳簿と不良債権化しつつある不動産投資。有望なベトナム企業の多くが抱えるこの2つの問題が、投資実現に向けての大きなハードルとなる。
日本企業との提携を希望するベトナム企業
ベトナム経済は、現在、ある意味で、過渡期を迎えている。
GDP(国内総生産)は安定的に5%強で成長を続けている(様々なマクロ経済的側面での脆弱性はあるが、その話は本稿の趣旨ではないので、横に置く)。
一方で、新たなメーカーが続々と参入している。その結果、これまでのように、何か作っておけば、そこそこ売れる、という牧歌的な時代は終焉を迎えつつある。
例えば、即席麺の場合、かつては、日本のエースコックが圧倒的なシェアを占め、そこに地場のメーカーが数社続くという構造だった。地場メーカーは、正直、たいした商品開発力はないのだが、エースコックっぽい商品を真似して出していれば、それなりに売れた。
この後追い戦略について言及すると、地場メーカーのオーナーは、「うちの商品は独自開発で、相当な技術的裏づけがある!」と血管がはちきれんばかりの勢いで反論してくるが、正直、とても商品開発力があるとは思えないケースがほとんどだ。