今年1月6日、朴槿恵(パク・クネ)大統領は年頭記者会見を行った。そこで、記者に統一に関して問われ、笑顔で「トンイルンテバギダ(統一は大博だ)」と語った。
「大博(テバッ)」は、韓国の新聞の日本語版では「大当たり」と翻訳された。この「統一はテバッ論」を受けて、しばらく韓国のマスコミは侃々諤々の大騒ぎになった。
大統領が使うには下品な言葉
朴大統領の発言は、南北和解のために相互誹謗と軍事訓練を中断しようとする北朝鮮の新年の年頭演説に合わせた朴大統領のお返しであった。
これまで北朝鮮に対し消極的な態度を取っていると見られていた大統領が、統一への意欲を示したと歓迎する人たちもいた。
しかし、一方で「統一はテバッ論」は、統一の方式やプロセスを省略した言い方だったので、「統一がロトシックスだと思っているのか」「民主的正当性を喪失した不法権力の統治術」などと批判された。
また、ネットでは大統領が使う言葉としては下品だと批判する輩もいた。なぜ、こんなことになるのか。
先日、日本人の知人から「テバッは『大当たり』でいいのですか」という質問をされた。大当たりという訳し方では、なぜ下品だという批判を受けるのか解せないところがあるのだろう。そこで筆者もしばらく考えてみた。
結論から言うと「大当たり」が間違いではない。だが、ネットに出ている韓国語辞典によると、「テバッ」の語源には諸説ある。1つは博打用語での大当たり。
例えば、投資または投機をして大儲けをしたとか、興行が非常にうまくいったとか、一攫千金という意味で使われる。だから漢字で「大博」と書くとされる。
また、韓国の昔話に出てくるフンブという人物が「テバッ(大きな瓢)」を割って大金持ちになったことから、それが語源だとする説もある。つまり、諸説あり定説がない。