米ストラテジーアナリティクスが公表したタブレット端末市場の調査によると、昨年10~12月期における世界全体の出荷台数は、1年前から20%増えて7680万台となった。
出荷台数が最も多かったメーカーは米アップルで、同社は2600万台を出荷、市場シェアは33.9%だった。昨年11月に発売した「アイパッド(iPad)」の新モデルが販売を押し上げ、2四半期続いたシェアの低下に歯止めがかかった。
アップルに次いで出荷台数が多かったのは韓国サムスン電子。同社は1年前の1.8倍に当たる1360万台を出荷し、シェアは13.6%に上昇。アップルとの差を縮めている。
劇的な成長水準、維持できず
この調査リポートに先立ち、別の調査会社である米IDCも統計(速報値)を出したが、こちらも出荷台数順位はストラテジーアナリティクスと同じ。
アップル、サムスンに続き、米アマゾン・ドットコム、台湾エイスース(華碩電脳)、中国レノボ・グループ(聯想集団)が上位5社に入った。
ただしIDCは、タブレット市場の成長が数年前から著しく鈍化していると報告している。同社がまとめた10~12月の世界出荷台数は7690万台。これは前の四半期との比較で62.4%増、前年同期からの比較で28.2%増。
ところが1年前に当たる2012年10~12月の前年同期比伸び率は87.1%増だった。これと比べると最近の成長は急減速しているという。
IDC調査ディレクターのトム・メイネリ氏によると、米国などでは消費者市場で普及率が飽和状態に近づきつつある。「新興国市場は高い成長率を維持しているものの、過去数年間あった世界市場の劇的な成長水準を維持するには不十分」と同氏は指摘している。