米IBMの2013年第4四半期(10~12月期)決算は、売上高が1年前から5%減少した。ソフトウエアは好調だったが、業績改善を狙っていたハードウエアが振るわず、7四半期連続で減収となった。

 IBMでは、主力のサービスやソフトウエアに力を入れて収益拡大を図っている。だがハードウエア事業の落ち込みが激しく、好調分野の収益増がそれを補えない状態だ。

ハードウエア事業の売上高は26%減

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ハードウエア事業の不振がIBMの業績の足を引っ張っている〔AFPBB News

 2013年第4四半期の売上高を事業部門別に見ると、サービス事業は1年前から2%減少した(為替の影響を除いた場合は1%増)。ソフトウエア事業は同3%増加した。

 一方でハードウエア事業は同26%減。この事業の売上高は前の四半期でも17%減と大きく落ち込んでいた。その際同社は「改善を必要とするハードウエア事業における業務遂行の強化に向けて対策を講じている」などと述べていた。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、その対策とは新しいサーバーの市場投入と、新興国市場向け事業の強化。これによりハードウエア事業が第4四半期に安定すると同社は期待していた。だが、今回の決算報告でそれが実現しなかったことが明らかになったというわけだ。

経営陣、2013年のボーナスを辞退

 今回の決算を受け、IBMのバージニア・ロメッティ最高経営責任者(CEO)兼社長は声明で、「私をはじめとする経営陣は2013年の年間奨励給の受け取りを見送ることを提案した」と発表した。同社の将来を担う事業分野は堅調に成長したものの、全社的な通期の業績を考慮して判断したと、同氏は説明している。

 この“全社的”という言葉には、ハードウエア事業の不振が足を引っ張ったという意味が込められているようだ。例えば2013年通期の業績を見ると、ハードウエア事業の税引前利益は前年から約17億ドル減り、5億700万ドルの赤字となっている。