マット安川 ゲストに宮崎正弘さんを迎え、中国の現況のほか、日本の歴史観から見た安倍政権の外交解説まで、幅広くお聞きしました。

不動産バブルの大爆発で、いよいよ中国経済の崩壊が始まる

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:宮崎正弘/前田せいめい撮影宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)氏
評論家、作家。国際政治・経済の舞台裏を解析する論評やルポルタージュを執筆。中国ウォッチャーとしての著作の他、三島由紀夫を論じた著書もある。近著に『オレ様国家 中国の常識』『2012年、中国の真実 』『中国が世界経済を破綻させる』など。メールマガジン『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』を発行。(撮影:前田せいめい、以下同)

宮崎 これまで急速に発展してきた中国ですが、この数年でものすごい歪みが出てきました。

 その3大歪みが腐敗、汚染、借金です。これが解決不能のところまでいよいよ来ている。中国は文明発展的に見れば、大後退というか、今年はそういう始まりになるんじゃないかなと非常に不気味な気がしています。

 中国の最大の問題は、経済の崩壊です。これはひしひしと迫っているように見えます。目先のこととしては不動産バブルの大爆発が近づいてきている。

 シャドーバンキング(影の銀行)というのは、分かりやすく言うと闇金融です。正規の銀行融資ではありません。この貸付残高が約326兆円あり、それにプラスして地方債務残高が約310兆円あります。これだけで約630兆円です。

 中国のGDP(国内総生産)は780兆円と言われていますが、100兆円は水増ししているので、実際は約680兆円。つまり、分かっているだけでもGDPとほぼ同額の不動産融資の貸付残高があるということです。

 また、中国の経済成長率は今年7.5%と言われていますが、今年の大学新卒者720万人のうち3割しか就職先がなく、欧米留学から帰国した人たちも就職先がない。こういう就職戦線を見ただけでも、中国経済はおかしいと普通なら考えます。

 それなのにまだ中国経済は大丈夫だなどと言っている人は、いったい何を見ているのでしょうか、首をかしげますね。

安倍首相は靖国参拝を続ければ、いずれ中韓も諦める

 安倍(晋三)首相の靖国参拝について、評論家的には非常に難しい問題ですが、個人的な意見を言えば、どんどん参拝に行けばいいんです。中国や韓国が麻痺するくらい行けば、そのうち諦めますよ。