「ご飯か食パンか」の時代に別れを告げる日本の朝食

食品業界の次の狙いは朝の「欠食市場」

2014.01.10(Fri) 白田 茜
筆者プロフィール&コラム概要

 今、朝食が脚光を浴びている。“世界一の朝食”として話題となった「bills(ビルズ)」など海外のパンケーキ店の日本進出も相次ぎ、有名店は行列待ちの人気ぶりだ。パンケーキの次はグラノーラの人気に火がつき、朝食ブームはまだまだ続きそうだ。外食産業も、朝食時間帯への新規参入や朝メニューの拡充に力を入れている。朝食ブームの背景を探ってみたい。

“朝活”を背景に活気づく朝食市場

 朝食市場活況の背景にあるのが朝の時間を有効に活用する“朝活”ブームだ。“自分の時間”を夜から朝にシフトし、早朝からランニングや勉強、ミーティングなど充実した朝時間を過ごす人たちが増えている。早朝から営業する英会話スクールやフィットネスクラブなども増えた。

 2009年4月には、出勤前に地域プロジェクトや農業、課題解決スキルなど幅広い知識を実践的に学ぶことができる「丸の内朝大学」がスタート。朝の朝食勉強会「Early Bird(アーリーバード)」や「Before 9 プロジェクト」など様々な朝の勉強会が開催されている。

 こうした朝活によく利用されるのがカフェだ。夜に開催される異業種交流会では食事や会場代などで数千円から1万円かかることもあり、参加するハードルが高い。だが、朝食会はコーヒー1杯程度の負担で気軽に参加できる。

 ファミリーレストランやカフェチェーン、ファストフード、駅構内にある“エキナカ”レストランなども、こぞって朝食専用メニューを強化している。朝ごはんを外で食べる人たちは「ソトアサ族」と呼ばれるようになった。食品メーカーでも朝の時間帯に合わせた商品が次々と開発されている。

 日本人の起床時間も早くなってきている。総務省の「社会生活基本調査」によれば、日本人の平均起床時刻は2001年が6時42分だった。2006年には6時39分となり、2011年には6時37分になっている。日本人の“朝型化”が進んでいるように思える。

パンケーキ店でちょっと贅沢な朝食

 今や全国的にブームとなっているパンケーキ。火付け役になったのは、鎌倉市七里ガ浜に2008年3月オープンした「bills」。オーストラリアのシドニー発祥のレストランだ。「世界一の朝食」という触れ込みで一躍有名になった。いまだに週末は行列という人気ぶりだ。横浜や東京にも店舗を次々と出店している。

 2010年頃から、原宿界隈にパンケーキ店が相次いでオープンしている。原宿・表参道界隈はさながらパンケーキの激戦区になっている。

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1978年佐賀県生まれ。佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。


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