先日、年末の送年会(韓国では「忘年会」は日本語の名残なので、「送年会」としている)で大学院の恩師に会った。すでに大学は引退されているが、まだまだ現役で翻訳のお仕事をされる元気なシルバー世代である。

 髪は白くなってもバイタリティーは昔のままだったので、その若々しさの秘訣を聞いてみた。彼女は「翻訳で煮詰まるとパソコンのゲームで頭を冷やすのよ。でも、かえってゲームに没頭してしまうときもあるけどね」と笑う。

ゲームは頭の体操に最適、と恩師

 「どんなゲームですか」と聞くと、「私は大変なゲームではなくて、パソコンに元から入っているカードゲームをするのよ」とおっしゃる。ソリティアのことらしい。

 そして「そんな年甲斐もなくゲームなんて、と言われることもあるけど、ゲームが私にとっては頭の体操だからいいのよ」とゲーム賛辞が続いた。

 韓国で「ゲーム」は子供たちがするもので、子供たちに悪い影響を与えるという認識がある。しかし、韓国では1997年の金融クライシスを経て、2000年代の中頃からゲーム産業をコンテンツ産業と認識して力を入れてきた。

 政府の後押しとIT産業の発展に伴いゲーム産業の売り上げは右肩上がりになった。文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院が発刊した「2013大韓民国ゲーム白書」によると、韓国のゲーム市場は今年10兆ウォン規模になると見込まれ、2015年には12兆ウォンになる見込みだという。

 特に、韓国のゲーム市場はオンラインゲームとモバイルゲームが2強となっている。2つの分野の昨年の売上高(ゲーム市場シェア)はそれぞれ6兆7839億ウォン(69.6%)と8009億ウォン(8.2%)。

 世界のオンラインゲーム市場に占める割合で韓国は28.6%と、中国の43.8%に次いで2位となっている。モバイルゲーム市場では5.1%と、日本(36.3%)と中国(10.2%)などに次いで5位だった。

 また、韓国のゲーム産業の知的財産権の収入は韓流関連産業の輸出額を全部合わせたものの5倍を超える。