本記事はLongine(ロンジン)発行の2013年6月26日付アナリストレポートを転載したものです。
執筆 泉田 良輔
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投資家に伝えたい3つのポイント
●個人投資家は機関投資家の思考プロセスを理解し、売買の行動パターンを先読みすることで資産運用を有利に展開する可能性を高めることができます。
●大型株を中心に運用し、ベンチマークが指定されている機関投資家はファンドの特徴を出すために小型株を組み入れます。
●株式相場が好調となり、ベンチマークに大きく組みいれられている銘柄が割高に見える局面になるとアクティビストの活動が活発化します。サード・ポイントがその典型例。
個人投資家の投資戦略になぜ機関投資家動向が必要なのか
投資を考える際、Longineの読者の皆さんは、機関投資家動向がなぜ必要だとお考えでしょうか。実は、機関投資家の売買データを分析することで、投資に関する様々な示唆を得ることができます。その中でも、豊富な資金を運用し、株式市場への影響力が大きい海外の機関投資家の動きが最も重要です。今回は、海外投資家の影響力について簡単に整理し、海外機関投資家の運用スタイルや、運用者の思考パターンにフォーカスしたいと思います。
日本の株式市場を動かしているのは海外投資家という事実
図表1をご覧ください。これは2013年の1月から5月までの三市場(東証・大証・名証)一部・二部及びマザーズ、ジャスダック、セントレックスの売買代金の投資主体別構成比です。売買代金の半分以上を海外投資家が占めています。この海外投資家とはいったい何者でしょうか。この海外投資家とは、一般的に海外の投資信託、年金運用機関、ヘッジファンドと言われる金融機関です。