米国の電子書籍市場にまた大きな動きがあった。米バーンズ&ノーブルに次ぐ米国2位の書店チェーン、ボーダーズ・グループが7月7日、電子書籍のオンライン販売を開始したと発表した。

 同社のネット販売サイト「Borders.com」に書籍コンテンツのサイトを新設、当初約150万タイトルを用意し、電子書籍リーダー端末やパソコンのほか、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」などのモバイル端末で読めるコンテンツをダウンロード販売する。1年後には市場シェアの17%を取りたいとしている。

カナダ社のインフラを利用する新サービス

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ボーダーズが電子書籍ストアを開設〔AFPBB News

 ボーダーズ・グループは全米に511のボーダーズ店舗を構えるほか、子会社のウォールデンブックスが運営する異業態店173店舗を持つ。

 また国内外で430店の文具/ギフトカードチェーンを運営しており、グループ全体で従業員は2万人を超える。

 2001年から7年間、米アマゾン・ドットコムのサービスインフラを利用してオンライン販売事業を展開していたが、アマゾンと提携を解消した後は独自でオンライン事業を展開し、書籍、音楽CD、DVDなどを販売している。

 新たに始めた電子書籍販売は、カナダの電子書籍サービス企業コーボー(kobo)のインフラを使っているところがライバルと異なる手法となる。

 このコーボーという会社は、電子書籍のコンテンツから、パソコンやモバイル向けのアプリ、コンテンツの管理、配信サービス、そして電子書籍リーダー端末までと幅広く手がけている。

 書店にはコンテンツやオンライン販売の仕組みを、端末メーカーには各種端末のアプリケーションを用意しており、これらを利用することで手軽に消費者に電子書籍が提供できるとしている。

 オープンな電子書籍ファイル形式を採用しているため、端末に依存しないコンテンツを提供できるというのが売り文句だ。