11月の最終週はモスクワも初積雪、今年も長い冬が始まった。昨年からロシアでは冬でも夏時間のままなので、モスクワでは朝10時前まで真っ暗である。

 こうしたなか、モスクワの赤の広場ではフランスのルイ・ヴィトンがレーニン廟を上回る巨大なカバンのオブジェを設置して話題となった。

売り場の3分の1はサムスンが独占

露「赤の広場」にヴィトンの巨大スーツケースが登場

モスクワに登場した巨大なルイ・ヴィトン(ただし、強い批判で撤去の憂き目に〔AFPBB News

 同社のロシア進出は欧州ブランドの中では比較的後発であるが(少なくとも1990年代には店舗はなかった)、近年、本物とニセモノどちらも人気が高まりつつある。

 ただ、ロシアでは国民性なのか所得水準の問題なのかよく分からないが、アジアほどニセモノブランド品は流行っていないように思える。

 というわけで今回はロシアにおけるブランドについて取り上げたい。

 まず、ロシア人が好む海外ブランドとはどういったものであろうか。10月23日付の経済紙RBCデイリーにロシア調査会社オンライン・マーケット・インテリジェンスによる調査結果が掲載されている。

 ダントツの1位は3年連続で韓国のサムスンである。同社は1998年のロシア金融危機を契機に日本ブランドに代わってロシア家電市場で市場シェアを拡大、近年は携帯・スマホ市場で高い人気を誇っている。

 街中の携帯ショップを覗いてみると、日本で言うところのガラケーから高機能のスマホ・タブレットまで、売り場の3分の1近くはサムスン商品で占められている。しかもテレビから街中の広告まで、そのブランド露出度は極めて高い。

 関係者に聞いたところでは、同社の1カ月の広告宣伝費用は日本企業の1年分を優に上回るという。