11月9日から12日にかけて中国共産党第18回中央委員会第三回全体会議(三中全会)が北京で開かれた。今後の改革の中身とやり方について議論され、その大まかな方向性についての決議が採択された。

 34年前に、最高実力者だった鄧小平は第11回三中全会を招集し、「改革開放」の基本方針を決議した。このことから共産党中央の三中全会は主に経済改革の方向性を決める重要な会議として位置づけられている。

 今回の三中全会も習近平政権の改革に取り組む意思表示として内外で注目を集めていた。しかし、実際に公表された三中全会の決議を見る限り、期待外れの感が否めない。

中国社会が抱える問題には言及せず

 今回の三中全会の決議は、今後10年間の改革の方向性と基本方針を定める指令書である。しかし、なぜ改革を深化する必要があるのかについては言及されていない。

 導入部では、これまでの35年間の「改革開放」政策の総括として、指導部がどんな決心をしたのか、どれぐらい素晴らしい成果を挙げ、経済高成長を成し遂げたのかに関する自慢話が羅列されている。だが、現在、中国社会と中国経済がどのような問題を抱えているのかについてはほとんど指摘されていない。

 いかなる改革も、現状の問題点の認識から始まるものである。現状について問題がなければ改革など行う必要はない。習近平政権はその現状認識を示すべきである。

 中国の報道によれば、毎年18万件ものデモや抗議活動など集団暴動事件が起きていると言われる。その背景には、所得格差の拡大のほかに、政府の強権的な土地収用に対する不満がある。最近、ウイグル族の者が乗った車が天安門に突っ込む事件があったが、これは中国社会の矛盾が看過できないほど深刻化していることを物語っている。

 中国ではこのような過激な抗議行動が頻発している。7月には、北京空港のターミナルで爆発事件が起きている。天安門突っ込み事件の1週間後には、山西省太原市の共産党委員会の建物の前で連続爆発事件が起きた。