年末商戦に向け、通信キャリア各社の秋冬モデルが出揃った。しかし、人気機種が主要3キャリアすべてから発売されたことなどもあって、多くのビジネスパーソンが頭を悩ませるのは、モデル選びよりもキャリア選びかもしれない。

  キャリアを選ぶにあたって、まず頭に浮かぶのが料金の安さだ。しかし、料金プランはキャリア間でそれほど差がない。それなら、何を決め手とすればいいのだろうか?
その答えは、ずばり、「LTEのつながりやすさ」だ。

  なぜなら、テザリングやクラウドによるファイル管理などを行うことができるスマートフォンは、いまやビジネスにおいて、必要不可欠。必然的に扱うデータ量が大きくなるため、LTE対応の機種が当たり前だが、LTEがいかに高速通信が可能だからといえ、実際に高速でネットワークにつながらなければ、用を成さないからだ。

 しかし、高層ビル街、建物の中、出張先や移動中など主なビジネスの場はネットワークにつながりにくい場所が多いのが現実。ここで注目したいのが、プラチナバンドと呼ばれる700~900MHz帯のLTEだ。

 この帯域の電波は、障害物があっても回り込む特性があるため、オフィス街や室内でもつながりやすいという。

 現時点でプラチナバンドLTEに対応した基地局数はauが圧倒的に多く4G LTEのエリア実人口カバー率も97%(※1)と広い。これを平たく言えば、「auのLTEはつながりやすい」ということ。

 この事実は、auのキャンペーンや説明会などのイベントにおいて、田中孝司社長が「800MHz帯LTEの基地数の多さによる自社のネットワークの優位性」をアピールしたことで、広く知られるようになった。そして、実際にauに乗り換えるユーザーが増えているという。

 そんな中、auのプラチナバンドLTEのつながりやすさを人一倍実感しているというのが、経済評論家として活躍する伊藤洋一氏。講演やラジオ、テレビへの出演などで、全国を飛び回る伊藤氏だが、特に移動中にauのアドバンテージを感じているという。
そこで、auのLTEのつながりやすさが、ビジネスにどう役立つのか、実感を交えながら語っていただいた。

三井住友トラスト基礎研究所主席研究員  伊藤 洋一氏

800MHz帯の粘り強さを
新幹線車内で実感!

 長年auを使い続け、この秋、スマートフォンをプラチナバンドの4G LTE対応機種に変更したという伊藤氏に、まずは印象について聞いてみた。

 「私に言わせれば、いくらネットワークにつながりやすくても通信が速くなければ意味がない。auの800MHz帯というのは、ネットワークへのつながり易さと高速通信の両方を実現しているという印象です。正直、以前使っていた機種はプラチナバンド未対応で、LTEと言っても、電車などの高速移動中は使いづらかった。だから、プラチナバンドLTEが使えるようになって、やっとLTEが利用できるようになったという感じですね」
では、具体的にどのような場所でプラチナバンドLTEの恩恵を感じているのだろうか?
曰く、「まず、新幹線の中」だ。

 週に1度、東京と大阪を行き来する伊藤氏にとって、新幹線の中でネットワークに接続して、いかに快適に作業を行うかは、かねてからの課題だった。

 「通信に関して、これまで一番困っていたのが新幹線の中でスムーズにネットにつながらないこと。しかし、プラチナバンドLTEは、ほとんどストレスなくネットワークにつながる。おかげで、車内で調べものをしながら、原稿を書いて、原稿を担当者に送るという一連の作業を車内で完結できるようになった。また、テザリング(※2)も余裕でできるし、Web上の動画を見ても途切れなくなった」と伊藤氏。