市場調査会社の米IDCがまとめた最新の調査リポートによると、今年7~9月期に世界で出荷された携帯電話の数は4億6790万台で、1年前から5.7%増えた。このうちスマートフォンは2億5840万台で、携帯電話全体の55.2%になる。

今年は10億台の大台に到達か

アップルは「がらくた市場には踏み込まない」クックCEO

アイフォーン5Sを発表するティム・クックCEO〔AFPBB News

 スマートフォンだけで見ると、1年前の1億8620万台から38.8%増と急増している。スマートフォンの出荷台数は4~6月期に四半期として過去最高の2億3700万台になったが、7~9月期はこれを9%上回って、記録を更新した。

 出荷台数を押し上げている要因は、基本ソフト(OS)に米グーグルの「アンドロイド(Android)」を採用する端末の低価格化。このことが中国を成長が最も速い市場の1つにしているという。同国のスマートフォン出荷台数は世界全体の3分の1以上を占めている。

 また中国に牽引されて市場は10~12月期も勢いが増すという。同四半期の出荷台数は引き続き記録を更新し、今年の年間出荷台数は10億台に達するとIDCは予測している。

 2年前の2011年の年間出荷台数はその半分の5億台だった。このことを考えると、今年は世界スマートフォン市場の大きな節目になると、同社のアナリストは述べている。

サムスンの出荷台数、アップルの2.4倍に

 7~9月期におけるスマートフォンメーカー別の世界出荷台数を見ると、最も多かったのは韓国サムスン電子で、8120万台。2位は米アップルで3380万台。

 この後、中国ファーウェイ(華為技術)の1250万台、中国レノボ・グループ(聯想集団)の1230万台、韓国LGエレクトロニクスの1200万台と続いてる。

 このうちサムスンの台数は四半期ベースの過去最高水準。アップルの2.4倍となったほか、2位以降の上位5社の合計台数も上回っている。