マンションの機械式駐車場の取り壊しが始まった。約2カ月の工事で、平置きの駐車場となる予定だ。

 もともと世帯数に応じた駐車場を確保するために4階建ての機械式駐車場が設置されていたのだが、熱海という土地柄もあり、定住者よりも、週末のみ・年数回のみというリゾート利用者が多いことなどから、2階建ての平置き駐車場でも駐車スペースが十分足りることが確認された。

高齢化に備えた環境整備の必要性はマンションにも

取り壊し中の機械式駐車場(撮影:筆者、以下同)

 屋内にある有料の平置き駐車場を契約することもでき、機械式駐車場は平置きの駐車場が足りない場合に使われるという運用になっていた。

 が、機械式駐車場への車庫入れは面倒がられ、連休などは敷地内の違反駐車が目立った。

 理事会での検討が繰り返され、今年になって、管理会社から機械式駐車場を平置きの駐車場に切り替えるという具体案が提示された。

 行政の認可手続きから工事業者の選定、区分所有者の賛成のとりつけなど、多くの煩雑な手続きを経て、機械式駐車場から平置き駐車場への切り替えが本決まりになった。

 取りまとめをされた理事の方々の苦労を思うと頭が下がるばかり。機械式駐車場のメンテナンス費用で、平置きへの切り替え工事費用、その後のメンテナンス費用を賄うことができたことが決め手になったが、将来に備えてできることはやっておこう、という強い意志があってのことだったと思う。

 定住者もリゾート利用者も50~60代の方が圧倒的に多い。ドライバーの多くがシニア予備軍であることを考えると、合理的、現実的な判断だったのは間違いない。

 が、良い悪いはさておき、変わる、変える、ということへの抵抗力に足を取られるということは往々にあるもの。正直言うと、工事が始まるまでは、どこからか横やりが入って中止になるのでは?と心配していた。

 この一件で、暮らしやすい環境を整えていくことに対する意識の高い人が多いことが分かり、安心した。街の環境整備などもこんなふうに合理的、現実的な判断の下、スムーズに進むといいなと思う。

 駐車場の工事も順調に進んでいる。完成が待ち遠しい。