今まで4回にわたりお伝えしてきたマネジメントマーケティングの手法だが、筆者の実践から生まれた「マネジメントマーケティング戦略シート(第2回参照)」や「ワンシート企画書(第3回参照)」は、今では多くのコンサルタント、商品開発者、企画マンに活用いただいている。

 商品開発は実際に使ったり、着たり、食してみないと、その具体的な解決方法は見つからない。また、「マネジメントマーケティング戦略会議(第3回参照)」を行うにしても、商品開発のために集まったメンバーの商品知識が欠けていたり、理想論ばかりを振りかざしていては、なかなか着地できない。

 いわゆる素人集団のアイデア発想は、よく「センミツ (1000回トライして、2つか3つしか成功しないこと)」と言われているくらいであり、商品知識がある人のアイデア発想とは大きく異なる。

商品開発における重要なポイント

テーマの設定

 実際のところ、商品についての実践的・実務的な知識、製品化技術、商品の歴史、社会経験がないメンバーでは、そのアイデアや発想を具体的な商品に落とし込むことが難しく、失敗に至ることが多くある。

 そのため、マネジメントマーケティングの手法では、商品開発の重要な手順として、それを具体策に落としこむための作業が行われる。それにはまず、「テーマの設定」を行うことである。

 商品開発のテーマの設定は、一種の仮説づくりである。

 マーケットインの発想から言えば、ニーズから設定するのが良いのだが、例えば、中小企業による地域特産品開発などでは、シーズと地域資源の組み合わせによるシーズ発想をしなければならないことが多くある。

 そこでは、経営課題、保有技術・設備、情報、地域資源をうまく組み合わせることが重要である。

改良・新商品の区分

 開発にあたっては3つのアプローチがある。

(1)既存商品の改良
(2)既参入ジャンルにおける新商品開発
(3)新ジャンルにおける新商品開発

 このうち、(3)の新ジャンルにおける新商品開発は、まったくの新発想からの新商品開発であり、時間、人員、経費等を要するため、(1)か(2)がアプローチしやすい。