昔からメーカーに改善活動はつきものと当たり前に思うかもしれないが、繰り返し申し上げているとおり、その本質は大きく変容してきた。

 良識ある現場の社員たちが自発的にQCストーリーを語る時代は、すでに過去の光景であり、今は戦略的に選んだ経営課題を“KAIZEN”手法を使って業務活動として実践することが求められている。

 そしてそのグローバル共通手法の標準化をISOが“シックスシグマ”という名の下に推進していることは、本連載の「言葉の壁に加え仲間作りが下手な日本人 2013年ISO TC69総会から~品質立国の幻影(7)」でご説明したとおりだ。

 改善の対象は社内の生産工程だけではなく、開発から購買、物流、販売まで社内のあらゆる業務プロセスに及び、部門最適ではなく全社最適の観点が不可欠となる。

 さらにGE(ゼネラル・エレクトリック)のように取引先や顧客まで巻き込んでWin-Winの改善成果を提案するだけの力量を有することが、企業優位性のアピールにつながると考えるグローバル企業も少なくない。

 そして、その成果創出を導く活動的な現場リーダーを体系的に育成する仕組みづくりが、グローバルの企業経営において重要な要素になってきたのだ。

「成果を出して人材を育てる」ジヤトコ独自のV-challenge活動

 話をジヤトコに戻そう。

 前篇でもご紹介したように、筆者たちは10年以上にわたって「シックスシグマ・フォーラム」という自主フォーラムを運営しているが、このたびその参加メンバーによるジヤトコへのサイト見学ツアーを秦孝之社長に希望したところ、快くお引き受けいただいた。

 早くから日産自動車が主導するV-up(バリューアップ)活動を共に実践してきたおかげで、ジヤトコ社内には共通手法としてのV-upが定着しており、課題責任者のV-Leaderや活動推進役のV-Expertなどの活動経験者が大勢いる。

 その状況を確認した秦社長は、ジヤトコにおけるV-up活動をさらに効果的に進化させる可能性を見出したのだそうだ。

 秦社長は「V-upは体系的な活動を進める仕組みとしてはうまくできていますが、確実な成果を刈り取るための経営的なガバナンスや活動参画対象者の選択方法には改良の余地がありそうでした」と指摘する。

 そしてジヤトコ独自の取り組みとして新たに「V-challenge」を立ち上げたのである。