今回も引き続き、コミュニティー型賃貸住宅の事例をご紹介し、そのユニークな取り組みをお伝えする(前回の記事はこちら、前々回はこちら

コミュニティー型賃貸その5:入居学生が地域と交流する賃貸住宅

(1)地域活動への参加が入居条件

 入居する学生と地域との交流を目的に誕生した賃貸住宅がある。今年4月にオープンした複合施設「ワテラス」(東京都千代田区)内に設置された学生マンション「ワテラススチューデントハウス」である。


図表1:位置図 【注】黄色い点線の囲みは地区計画区域 (淡路エリアマネジメント提供、図表2も同じ) 拡大画像表示

 ワテラスは、統廃合で閉校となった旧淡路小学校跡地を含む、「淡路町二丁目西部地区第一種市街地再開発事業」(施行区域面積約2.2ha)によって生まれた2棟の建物からなり*1、地上41階建ての「ワテラスタワー」にはオフィス(全15フロア)と分譲マンション(333戸)の他、1~3階部分に「ワテラスコモン」と呼ばれるコミュニティー施設が設置されている。

*1 再開発事業エリアにはこれらの2棟の他、千代田区の公益施設(7階建て)がある。

 地上15階建ての「ワテラスアネックス」には、商業施設(1~3フロア)とオフィス(9フロア)があり、その上の最上階2フロアに36戸の学生マンションがある。この学生マンションの特徴は、入居する学生に周辺相場よりおおよそ3割ほど安い家賃で住戸を提供する一方で、地域活動への参加を条件にしている点である。

図表2:再開発事業エリアと配置図
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 学生マンションを運営しているエリアマネジメント*2組織、「一般社団法人淡路エリアマネジメント」(東京都千代田区)は、ワテラスを拠点に、再開発エリアとその周辺地域におけるコミュニティーづくりを目的として、ワテラスコモンや広場、公園を利用したイベントの開催、カルチャー教室や講座の提供、情報誌の発行といった活動を行っている。

*2 地域の価値を高めるための活動全般を管理・運営すること。国土交通省では「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取り組み」と定義している。