国家の盛衰と人口は大きく関係する。国が栄える時に人口は緩やかに増加する。

 日本の人口は江戸時代中期以降の150年間にわたり約3000万人で停滞していたが、明治になると増加し始めた。その増加は約150年間続いたが、2008年から減少に転じている。現在、人口減少は年金制度の維持との関連で議論されることが多いが、より長期的には日本という国家の盛衰に直結する問題である。

 ここでは少し視点を引いて、世界、特に東アジア諸国との比較から日本の人口減少問題を考えてみたい。

出生率が低い韓国、日本、ドイツ・・・

 一生涯に1人の女性が生む子供の数を「合計特殊出生率」と呼ぶ。この値が2.05を割り込むと人口が減少するとされる。日本の2012年の値は1.41である。2年ぶりに1.4台を回復したなどと言って一部に安堵の声も上がっているが、2.05を大きく割り込んでいることには変わりがない。

 図1に日本、中国、韓国、図2にイギリス、イタリア、フランス、ドイツの合計特殊出生率を示す。

図1 日本、中国、韓国の合計特殊出生率(データ:国連人口局、以下同)
図2 イギリス、イタリア、フランス、ドイツの合計特殊出生率

 2005年から2010年の値を見ると、7カ国の中で2.05を上回っている国は1つもない。フランスが高いが、それでも1.97である。それにイギリスの1.88が続く。フランスやイギリスは少子化対策が成功し出生率が向上した国と言われるが、それでも2.05には届いていない。このような状態が続けば、長期的には人口が減少する。