ブラックベリーが戦略的選択肢を検討、身売りも視野に

ブラックベリーが身売りの可能性も含めた「戦略的選択肢」を模索すると発表したAFPBB News

 カナダのスマートフォンメーカー、ブラックベリー(BlackBerry)は12日、身売りの可能性も含めた「戦略的選択肢」を模索すると発表した

 同社では、会社売却のほか、他社との合弁事業や戦略的提携の可能性を検討するための特別委員会を設置し、これに米ゴールドマン・サックス出身のティモシー・ダッテルズ取締役や、ソーステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)などが加わる。

 また同社は、金融アドバイザーとして米JPモルガン証券を起用したことも明らかにした。

新製品に期待をかけた1年だったが・・・

 ブラックベリーが経営戦略の見直しについて明らかにするのは初めてではない。同社は昨年5月に、他社との提携や、ソフトウエアのライセンス供与、代替ビジネスモデルなどを検討すると発表しており、それには会社資産の一部売却や会社全体の売却が検討対象になっていると見られていた。

 だがその後同社が下した決断はこれらのいずれでもなく、全社を挙げて新しい基本ソフト(OS)や新型スマートフォンの開発に注力するというものだった。

 そうして開発した新OS「ブラックベリー10」と新型スマートフォンを同社が発表したのは今年1月。そして全面タッチパネルの「ブラックベリーZ10」と画面下にキーボードのある「同Q10」をそれぞれ、1月末と4月に発売した。

 しかし、3~5月期の決算発表で分かったこれら新端末の販売台数はわずか270万台。これは米アップルの「アイフォーン(iPhone)」の1~3月期の出荷台数の1割にも満たず、フィンランド・ノキアの出荷台数の半分という水準だった。

 同社はいち早くスマートフォンを手がけ、米国で市場シェアの5割以上を持っていた草分け的メーカー。だがアップルがアイフォーンの初代機を発売した2007年以降、同社のシェアは低下していった。米NPDグループの調査によると、2009年に米国で44%だったブラックベリーのシェアは、2年後の2011年に10%に低下した。