人類はいま、溢れんばかりの情報の中で生きている。

 その中から縁あって出合い、毎日触れている情報は、個々人にとって本当に有益なものなのだろうか。もしかしたら、不必要な情報の陰で本当は必要な情報が埋没してしまっているのではないだろうか。

加速度的に膨張するデジタルユニバース、2020年には40ゼタバイト規模に

 昨年12月、米EMCが調査会社の米IDCに委託して実施したデジタルユニバース(全世界で生成もしくは複製されたデジタル情報の総量)に関する調査結果はインパクトがあるものだった。

 これによると、2020年にはデジタルユニバースの規模は40ゼタバイトに達し、世界の全人口1人あたりではおよそ5247ギガバイトのデータ保有量に相当するという。

 「ゼタバイト(Zetta Byte)」と言われても、ピンとこない人が大半だろう。これはデジタルデータの容量の単位で、単位の小さい順に並べてみると、「バイト→キロバイト→メガバイト→ギガバイト→テラバイト→ペタバイト→エクサバイト→ゼタバイト→ヨタバイト」となり、単位が1つ上がるごとに1024倍(2の10乗)になるという仕組みだ。

 ゼタバイトがとてつもなく大容量であることくらいは理解できるにせよ、2進数で表すと2の70乗、約11垓8059京と聞くと、やはり想像の域からはみ出てしまう。

 これを少し身近なものに例えると、DVDで2500億枚に相当する。少し馴染みのあるギガバイトをコーヒーカップ1杯分とすれば、ゼタバイトは万里の長城の体積に匹敵するという。

コーヒーカップ1杯分の容量をギガバイトだとすると、万里の長城の体積がゼタバイトにあたる(ウィキペディアより)

 2006年時点では0.161ゼタバイトであったが、その増大スピードは加速の一途、デジタルユニバースは2年ごとに倍増するペースの中にある。

 一方、その膨大なデータを活用しきれずにいる状態にあり、2012年のデジタルユニバースの23%(643エクサバイト)はビッグデータとして活用可能であるものの、タグ付けされているデータはそのうち3%、さらに分析まで行われているデータの割合は1%未満だと言われている。