マット安川 今回はゲストに藤木幸夫さんを迎え、歴史問題や外交、選挙後の政界展望まで幅広くお聞きしました。「自分を尊敬できて、初めて周りも見えてくる」――深い言葉です。

悪口雑言の選挙活動。細野幹事長は民主党に殺される

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:藤木幸夫/前田せいめい撮影藤木 幸夫(ふじき・ゆきお)氏
横浜港運協会会長、藤木企業株式会社 代表取締役会長。実業家として港湾産業の近代化に取り組み、また長く日本の港湾行政に携わる。(撮影:前田せいめい、以下同)

藤木 我われ日本民族は少し劣化してきています。他人に対する尊敬の念が消えてしまった。

 それよりも前に自分を敬う、自分は大事なんだという気持ちがない。まずは自分自身を尊敬すること。尊敬というのはプライドです。自分に自信を持つと、他人の悪口を言わなくなります。

 自分を尊敬できる人は、相手も尊敬できる。そうすればツイッターやブログのくだらない陰口は消えていきます。これはあらゆることの根っこです。精神主義だけではなく、民族としてそうあるべきです。

 選挙もそうです。他党の悪口ばかり言っている。政党に違いがあるのは当然で、それを批判するのはけっこうだけど、いまのは悪口です。悪口雑言を散らしながら選挙活動が行われています。

 メディアも同じ。自分を尊敬すれば、悪口を書けなくなる。週刊誌なんて悪口の怪文書じゃないですか。昔だったらあんな恥ずかしいことは書かなかった。だけどそうしなければ売れない。つまりは読む人が悪いわけです。新聞だって同じで、読む人に合わせて作りますからね。

 いま一番心配なのは将来の人材です。人材を育てることがあらゆる世界で最も重要なことです。今度の参議院選挙も、民主党の細野(豪志、幹事長)君の使い方が問題です。

 彼は将来の人材、日本の人材ですよ。私は彼をよく知っています。いい男です。その有能な男を幹事長にして、悪口を言って歩かせている。あの使い方はかわいそうです。民主党によって殺されている。

菅官房長官がいる限り、安倍首相は大丈夫

 一方、自民党は、小泉進次郎(青年局長)、森(喜朗)元総理、菅(義偉)官房長官の使い方がピタッとはまっている。使い方がいい。

 いまの自民党政権は、私に言わせれば、近来まれに見る素晴らしい内閣だと思います。特に菅さんの存在が大きい。文字通りのキーマンですね。彼とは同じ横浜が地盤で親しい間柄だから、おべんちゃらみたいに思われると困るけれど、冷静に見て、そう言えます。