「今時の若者は・・・」。100年、1000年経っても繰り返されるこの言葉。年齢を重ねると経験は豊富になるが半面どうしても柔軟な発想ができにくくなることの表れである。

 いま、長かったデフレから解放され歴史的転換点を迎えようとしている日本では、新しい成長を目指すためには過去のしがらみにどっぷり漬かった弊害から離れるために、一気に若返りを図る必要があるかもしれない。最近、そんな気がしてならない。

北海道奈井江町

 企業や国、地方自治などあらゆる「経営の場」において、若い人たちの力を結集できたところが新しい時代の成長を手にできるのだろう。

 実は、子供たちの意見を徹底的に聞いて町の政治を行っているところが北海道にある。札幌と旭川のほぼ中間に位置する奈井江町である。

 日本中に市町村合併の嵐が吹き荒れた「平成の大合併」のとき、子供たちにも意見を聞いて合併反対を決めた。

 それ以外も、町の政策を決めるに当たっては必ずと言っていいほど子供たちに意見を求めてきた。「町のことは将来を担う子供たちにも決めさせる」。1986年に町長に就任した北良治さんの強い思いがあってのことだ。

 子供たちは忙しい大人たち以上に町の未来を考える。そして、考えることが自立した心を育んでいく。日本の地方を豊かにするうえでほかの市町村が参考にしていい大切な方法の1つが奈井江町にある。

町立病院の建て替えで痛感した地方主権の重要性

川嶋 奈井江町は、いわゆる「平成の大合併」で合併を選択しませんでした。それは、どういう理由からですか。

 2003年に実施した住民投票の結果、合併しないことを希望する住民が多数を占めたため自立の道を選んだわけですが、そこに至るまでの経過がいろいろありました。

 そもそも、日本は中央集権が強すぎます。私は地域住民が自治意識を持つことが何よりも重要だと考えています。そのために私たちは情報を住民と共有し、お互いに分析し合って、町民と一緒に考え、地域を創り上げる努力をしています。

 私が町長に就任したのは1986年ですが、それ以来ずっと地方自治が最も大切だと考え、住民主体ということを基本に据えて町政に取り組んできました。

川嶋 住民主体を強く志向するようになったのはなぜですか。

 1つの大きなきっかけは、医療問題です。