サムスン電子は2013年7月5日、4~6月期の決算見通しを発表した。営業利益は前年同期比47%増の9兆5000億ウォン(1円=11ウォン、約8200億円)前後に達し、過去最高になる。

 圧倒的な収益力だが、6月になって以降の株価下落に歯止めがかからなかった(2013年6月13日「証券会社のリポート1本でサムスン電子株急落」参照)。

 「10兆ウォンの壁を越えられず・・・サムスン電子、惜しい史上最大実績」――。サムスン電子の決算見通しを報じた7月6日付の「朝鮮日報」はこんな見出しを付けた。

 こんな見出しになったのも、決算見通し発表にもかかわらず、7月5日のサムスン電子の株価が前日比5万ウォン(率にして3.8%)下落して128万7000ウォンだったからだ。週明けの8日も4万1000ウォン(3.2%)下落した。

「営業利益10兆ウォン」の壁、ひとまず弱気の外資系証券に軍配

 決算内容自体は、相変わらず圧倒的な収益力を見せつけた。売上高も前年同期比20%増の57兆ウォンで、増収増益の勢いには少なくとも表面上は陰りが見えない。

 それでも株価が下落したのは、韓国のアナリストの営業利益予測が「10兆ウォンを超える」だったためだ。

 「外国証券会社の予測vs韓国の証券会社の予測」。サムスン電子の4~6月期決算の営業利益予測は、こう二分されていた。

 6月7日にサムスン電子の株価目標を下方修正したJPモルガンやバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチなどは4~6月期の営業利益を9兆7000億ウォン前後と見ていた。

 これに対して韓国の証券会社の予測コンセンサスは10兆2187億ウォンだった。結果的に両方の予測を下回る決算見通しとなった。