米IDCが22日までにまとめた半導体市場動向調査によると、昨年1年間における世界の半導体メーカーの売上高合計は2950億ドルとなり、前年から2.2%減少した。

パソコンの低迷や中国メーカーの台頭などが要因

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米カリフォルニア州サンタクララにあるインテルの本社〔AFPBB News

 これに先だち同社が公表していた速報値は3040億ドルで、前年からは1%未満の微増。その後の調査で市場が予想以上に低迷していたことが明らかになったというわけだ。

 今回の調査によると、昨年後半はパソコンや携帯電話、デジタルテレビといった製品の消費者需要が落ち込み、工業製品などほかの分野も振るわなかった。

 欧州の経済危機、中国の需要鈍化といった地域の要因が世界全体の需要に影響を及ぼしたという。

 そうした中、米マイクロソフトが10月に市場投入したパソコン基本ソフト(OS)の新版「ウィンドウズ8」は出足がパッとせず、市場回復に寄与しなかった。一方で価格競争力のある中国の半導体メーカーが値下げ圧力をかけ、世界市場全体の成長を押し下げたという。

 世界の半導体市場で最大手の米インテルではこの5月に最高経営責任者(CEO)が交代し、さっそく組織再編を計画するなど、こうした状況の対策に乗り出している。だがこのIDCの調査結果を見る限り、課題は山積していると言えそうだ。

上位10社中8社が減収に

 メーカー別の昨年1年間の売上高を見ると、インテルが500億ドルで業界トップ。だが同社の売上高は前年から3%減少。インテルはパソコン需要の低迷に加え、スマートフォンやタブレット端末の分野で苦戦しているとIDCは指摘している。

 そして、この状況はほかのメーカーにも見られる。例えば上位10社の売上高の合計は前年比3%減の約1500億ドル。上位25社の売上高の合計は同3%減の2060億ドルと、いずれも減少率はインテルと同じ。

 IDCによると、上位10社の中で8社の売上高が前年から減少するなど、メーカーの大半が減収となっている。売上高が10億ドル以上あるメーカーのうち、伸び率が5%を超えたのは17社のみ。上位25社中売上高が増加したのは7社のみという結果だった。