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かつて印刷物は信用できないものだった~井関利明慶應義塾大学名誉教授・特別対談(第1回)

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(30)

2013.04.18(木) 小川 和也
    http://goo.gl/3POvu
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 「ソーシャル化する社会」の連載が30回目の節目を迎えた。その節目にあたり、慶応義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)創設の中心的人物であり、日本のマーケティングにおける第一人者である井関利明慶応義塾大学名誉教授と小川和也による特別対談を4回にわたってお届けします。

今は専門分野だけで完結できない時代。ソーシャルの集合知がモノを言う

小川:まず、近年存在感を増し続けるソーシャルメディアというメディアを、井関先生はどのように捉えていますか。

井関利明慶應義塾大学名誉教授(撮影:前田せいめい、以下同)

井関:前提として、3つの段階に分けて考えています。

 この3つの段階を、私はあえて「カーブ(曲線)」で考えます。よく、「バージョン」という言葉が用いられますが、私は使いません。なぜなら「バージョン」は発展の段階論であり、メディアの流れを考える上では連続的な「カーブ」の方が適しているからです。

小川:そのカーブとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

井関:第1カーブ時代の象徴はマスメディアです。マスメディアが、一方向的に情報と知識を流すわけです。

 第2カーブになってようやく、Webサイト等で受け手が発言、参加するチャンスが出てきました。放送でも雑誌でも、参加性が増し始めます。

 そして第3カーブがソーシャルメディアの時代です。そこには不特定多数の発信と自己表現を成し得るメディアが存在する。

小川:第3カーブ、ソーシャルメディア時代の特徴をどのように考えますか。

井関:1つは“wisdom of crowds”、集団の知恵が特定個人の知恵より意味を持つ可能性があるということです。

 そもそもいまの時代は、どの分野にしろ、自分たちの専門知識だけで完結することが難しい。専門家が自分の分野で完結する時代ではなく、別の分野の人を自分の分野にどう呼び込んでいくのかを考えることが必要です。

 それに呼応するように、ソーシャルメディアの中には広く個人の知恵が集まっている。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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