週刊NY生活 2013年2月23日第432号

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催中の「TOKYO 1955-1970 :新しい前衛」に展示されている横尾忠則さんの旭日旗をデザインした作品をめぐり、在米韓国系住民による抗議デモが17日、MoMAと在ニューヨーク日本国総領事館前、国連前で行われた。

旭日旗反対を訴える韓国系市民ら(17日午前11時40分、三浦良一記者撮影)

 グリーンのスポーツウエアをまとった9人余りのランナーが「平和マラソン」と題して同3か所を訪問。

 横尾さんの作品が旧日本軍の旭日旗を彷彿させるとして、ナチスドイツのハーケンクロイツと並べた横断幕を広げ「旭日旗ノー」のシュプレヒコールをあげた。

 団体は旭日旗を描いた横尾さんの作品を使ったMoMAの広報用ポスターの撤去を求めた。

 マラソンに参加した男性は「過去の歴史を連想させる展示に対しては強く抗議する」と述べた。当日は休日で数分程度のデモと規模も比較的小さかったこともあり、各所で目立った混乱などはなかった。

 MoMAのグレン・ロウリー館長は「横尾忠則の強烈なポスターデザインは時々、旭日(Rising Sun)の象徴を表現している」としながら「作家によれば彼の刺激的な象徴は近い過去(1950~1960年代)に対する自覚であり批判的反応であり、過去の日本帝国主義と軍国主義の単純な称揚を意図したものではない」とのコメントを出した。

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