米グーグルがこのほど発売した自社ブランドのノートパソコン「クロームブック・ピクセル(Chromebook Pixel)」が話題になっている。
同社はモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を端末メーカーに無償で提供し、検索サービスやオンラインサービスの広告収入で稼ぐというビジネスモデルを取っている。
これと同様にグーグルは、パソコン向けOS「クロームOS」を韓国サムスン電子や、台湾エイサー、米ヒューレット・パッカード(HP)などに無償提供しており、各社が安価なノートパソコン「クロームブック」を市場投入している。
「ChromebookもAndroidのように普及させる」
ところがグーグルが今回発売したノートパソコンは、価格が1299ドルからと異例の高価格。まるで米アップルの「マックブック(MacBook)」を思わせる高級感ある仕様で、グーグルは果たしてどんな意図でこのパソコンを市場投入したのかと話題になっていた。
そしてこの謎が解かれるような記事を米シーネットが3月1日に公開し、再びこのパソコンに関心が集まっている。
このシーネットの記事によると、グーグルの意図の1つは、低価格端末というイメージの払拭にあるという。
これまで市場投入されていたクロームブックは200ドル程度と安く、高くても450ドルどまり。クロームブックは「グーグル・ドライブ」などのクラウドサービスやウェブアプリケーションの利用を前提としたパソコンで、利用者はデスクトップアプリケーションをパソコンにインストールしたりする必要はない。
音楽、動画、写真、文書などのファイルもクラウド上に保存するため、パソコンのストレージ容量は小さくて済み、マイクロプロセッサーも高性能なものはいらない。こうした用途と、OS(基本ソフト)が無償提供されているという背景が重なり、サムスンなどのメーカーはこれまでクロームブックを低価格機という位置づけで販売してきた。
ところが、グーグルがクロームブックにかける思いはこれとは異なっている。同社が狙っているのは、アンドロイドのような世界だ。