米国の市場調査会社ガートナーが13日に公表した市場統計調査によると、昨年1年間に世界で販売された携帯電話の台数は前年から1.7%減となり、3年ぶりに前年割れとなった。
ガートナーはその要因として、厳しい経済情勢や消費者の好みの変化などを挙げているが、販売台数は依然として17億台の水準を維持していることから、市場関係者には「驚異的な成長をしているセクターのいっときの停滞」と見る向きも少なくない。
スマホは38%増、フィーチャーフォンは19%減
というのも携帯電話の世界販売台数は2007年に10億台の大台を突破した後、年平均9%程度で増加しているからだ。また昨年はフィーチャーフォン(従来型携帯電話)が低迷したものの、それを補う形でスマートフォンが伸びた。
例えば10~12月の販売台数はスマートフォンが1年前から38.3%増の2億766万台。
これに対しフィーチャーフォンは同19.3%減の2億6440万台。スマートフォンの携帯電話全体に占める割合は44%となり、1年前の31%から拡大している。
ガートナーは、フィーチャーフォンの低迷は今年も続くが、スマートフォンの年間販売台数は10億台近くにまで達し、携帯電話全体では前年比8.9%増の19億台になると予測している。
ただ市場競争が激化していることから、業界の勢力構図には大きな変化が生じている。昨年1年間のメーカー別販売台数を見ると、韓国サムスン電子が3億8463万台となり、前年まで1位だったフィンランドのノキアを抜いた。
ノキアは3億3393万台でサムスンとの差は5000万台程度。しかし両社の販売台数を前年と比較するとサムスンは22%増、ノキアは21%減と対照的だ。