米グーグルが先週、同社の主力事業である検索連動広告の仕組みに変更を加えると発表し、これが大きな話題になっている。同社には「アドワーズ(AdWords)」と呼ぶオンライン広告サービスがあるが、グーグルはこれを強化すると発表した

グーグル、オンライン広告全分野で米トップに  ディスプレー広告でも首位

グーグルのロゴ〔AFPBB News

 アドワーズでは、広告主が自社製品に関連するキーワード、入札単価、広告を登録すると、グーグルの利用者がそのキーワードに関連する単語で検索を行った際、広告が検索結果の横に表示される。

 利用者が検索を行うたびに自動でオークションが行われ、検索語とキーワードとの関連性、入札単価といった要素で決まる得点(広告ランクと呼ばれる)に基づいて、広告の表示順位が決まるという仕組みだ。

広告主は割高になると懸念を表明

 このアドワーズではこれまで掲出先をパソコンにするかモバイル端末にするかを広告主が自由に選択できた。しかし、グーグルは今後これを1つのパッケージとして提供するという方針にした。

 これにより、「パソコンには広告を出したいが、画面の小さなスマートフォンには出したくない」といった広告主の希望が通らなくなる。どの端末に広告を出すかはグーグルのコンピューターが自動で決定するからだ。

 この変更は今後数週間のうちは“オプション”だが、今年半ばにはすべてに適用されるといい、広告主には選択の余地がなくなる。

 このグーグルの発表を受けて、さっそく海外メディアが記事で取り上げている。米フォーブスによると、これまでモバイル端末向けの広告料が比較的安かっため、これを利用して費用対効果を高めていた広告主が多くあった。

 しかし今後はパソコンと一緒になるため、これまで通りモバイルで上位表示させるには、より高い金額で入札しなければならず、そうした広告主にとって今回の措置は単なる値上げだと同誌は伝えている。

 また、モバイル広告に興味がない広告主にとっては、不要な媒体への露出のために割高の料金を支払わなければならず、負担が増えるという意見もある。このほか、自社サイトをモバイル端末に対応していない広告主は、急きょ対応を迫られることになる、といった不満も出ているという。