2月4日の立春はポカポカ陽気。寒い冬もようやく終わり、と思っていたら、この原稿を書いている6日朝の東京は霙模様。まだまだ、春は遠い・・・。

 そんな春を待つ思いは、古今東西どこも同じ。米国では毎年2月2日の「Groundhog Day」、齧歯類のGroundhogに春の訪れを占ってもらう。

今年の春は早くやって来る!

米恒例グラウンドホッグ・デー、今年の春は近いと「予言」

グラウンドホッグ・デーの祭事で、関係者に持ち上げられるフィル君(2013年2月2日)〔AFPBB News

 今年、その答えは「春は間近」だった。巣から出てきたGroundhogが自分の影を見なかったからだという。米国中から占いの見物に来ていた人々はその答えに拍手喝采。

 とは言っても、これは最も有名なGroundhog、ペンシルベニア州パンクサトーニーのフィルによるもの。ほかでは違った結果も出たらしい。

 このフィル君、大変な人気者で、テレビのニュース映像にも登場(だから私も結果を知っている)。

 そんなイベントを取材しにやって来たテレビクルーたちの物語『恋はデジャ・ブ』(1990)では、なぜか毎日が2月2日となってしまった主人公が、繰り返しの「日々」に嫌気がさしながらも、過去の失敗を取り返そうとするシュールなコメディ。主演のビル・マーレイのすっとぼけぶりがいい。

バリー・ベラフォンテの「カリプソ

 この時期、もう1つ「春の訪れ」を感じる話題がカーニバル。なかでもリオやベネチアのものは有名だが、「世界3大カーニバル」となると、あと1つ、カリブの小国トリニダード・トバゴを加えることになる。

 ベネチアが仮面などの華麗な服飾、リオが激しい踊りが売りだとすれば、トリニダード・トバゴは音楽。その中心となるのが「カリプソ」である。

 「カリプソ」と言えば、ハリー・ベラフォンテのそのものズバリのアルバム「カリプソ」が火付け役。世界初のミリオンセラーであるこのアルバムは「デーオー」というかけ声が印象的な「バナナボート」から始まる。

 1950年代当時は「カリプソの女王」浜村美智子の、70年代になってからはゴールデンハーフの日本語バージョンもヒットしたので日本でもお馴染みだ。実はこの曲、ジャンルとしてはカリプソではなく「メント」と呼ばれるジャマイカの音楽。