一足早い「新年の抱負」の発表か、米グーグルは来年1年間で米マイクロソフトの統合型ビジネスソフト「オフィス」を使っているユーザーの大半を自社サービスの顧客にしたいという意気込みを明かした。

「オフィスにある90%の機能を実現する」

米グーグル、Office文書をオンラインで協業可能な「DocVerse」を買収

コンベンション用にグーグルのロゴを張る人〔AFPBB News

 グーグルの法人向け事業で部門副社長を務めるアミット・シング氏が、米オールシングスDのインタビューに応じて述べたもので、グーグルは、オフィスで高度な機能を利用していないユーザーの90%を自社の「グーグルアップス(Google Apps)」に取り込みたいと考えている。

 グーグルアップスは、ワープロ、表計算、プレゼンテーションといった文書の作成・編集ソフトウエアをクラウドベースで提供したり、電子メール、カレンダー、ビデオ会議、テキストチャットといったコミュニケーションツールを提供したりするサービスだ。

 これらは個人では無料で利用できるが、法人向けにはユーザー1人当たり年額50ドルからという料金で販売している。シング氏によると、グーグルアップスは今年1年間で機能を大きく拡充し、採用企業も増えた。来年はさらに機能強化を図ってマイクロソフトのオフィスでできることの90%を可能にするという。

売上規模は24倍の差

 インターネット検索やスマートフォンなどのモバイル基本ソフト(OS)の分野では圧倒的な強みを持つグーグルだが、法人向けソフトウエアでは依然としてマイクロソフトの後塵を拝しているという状況だ。

 それもそのはず、オフィスを手がけるマイクロソフトの「ビジネス部門」は巨大だからだ。

 その売り上げは、マイクロソフトの全売上高の34%を占めており、これは「サーバー・ツール部門」の28%、「ウィンドウズ部門」の20%を上回っている。この部門の年間売上高は240億ドルに上り、マイクロソフトで最も利益が出ている部門となっている。