朝の光を浴びて朝食をとるのが正しい

“朝食是非論”に決着を(前篇)

2012.12.21(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 多くの人にとって、朝とは忙しい時間だ。「寝ていたい」と「起きなければ」のせめぎ合いに決着がついてからも、顔を洗い、歯を磨き、身支度をしてと、やることは多い。

 そんな慌ただしい時間に「朝食をとる」なんてとても無理という人もいるだろう。特に若い世代の男性にその傾向は顕著で、朝食をほとんど食べていない日本人男性は20歳代で21.0%、30歳代で21.4%と、2割を超えている。女性の方は、20代で14.3%、30代で10.6%と低めだが、朝食をとらない人は増えている(以上、厚生労働省「平成21年 国民健康・栄養調査」より)。

 そんな「朝食抜き」の人たちにとって福音となるのが、「朝食はとらなくてもよい」または「朝食はとるべきではない」と述べる専門家たちの話だろう。「朝食抜き」の健康法を説く本は出版され続け、「朝食抜きダイエット」も話題になっている。その論拠も一見、科学的で説得力のありそうなことが書かれていそうだ・・・。

 本当のところ、朝食は体にどのような影響を与えるのか。朝食をとることは体にとって良いことなのか、それとも、とらなくてもかまわないものなのか。そんな問いを「時間栄養学」を研究する早稲田大学先進理工学部の柴田重信教授に投げかけてみた。

 「時間栄養学」とは、時間を軸に展開される栄養素の消化、吸収、代謝、排泄などを研究する学問のこと。薬の効き目が飲む時間により変わってくるのと同じく、食べものの体への影響の仕方も時間により変わってくるという考え方から、ここ数年で研究が進んでいる先端分野だ。

 前篇では、柴田教授に、朝食をとると体がどうなるのかを聞いてみたい。最近の研究で分かってきたことを披露してもらおう。そして後篇では、世間の「朝食抜き健康法」や「朝食抜きダイエット」で言われている論拠を柴田教授にぶつけてみることにしたい。

体は「時計」に支配されている

──最近は「どのような食事をとるか」といった中身の話題とともに、「いつ食事をとるか」といった時間に関する話題も増えています。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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