米国の市場調査会社NPDディスプレイサーチによると、タブレット端末の販売台数がノートパソコンのそれを上回る日もそう遠いことではなさそうだ。
今年10月におけるタブレット端末向け液晶ディスプレイパネルの世界出荷枚数は、前月から130万枚増えて1870万台に達した。これに対し、ネットブックも含めたノートパソコン用ディスプレイパネルの枚数は前月から390万枚減の1690万枚だった。
ノートパソコン向けディスプレイパネルの出荷枚数はこれまで一貫してタブレット端末を上回っていた。ところが今年10月はパソコンメーカー各社が米マイクロソフトの新基本ソフト(OS)に対応するため、従来モデル向けパネルの購入を抑制した。
一方でタブレット端末は、メーカーが年末商戦に向けてパネルの発注量を増やした。これに加え、子供向けと教育市場向けタブレットの需要が一時的に増大した。
これらを考えると、この10月におけるパネル需要の逆転現象は特殊なケースだった可能性がある。だが、いずれにせよタブレットの需要が今後も増大することから、パネルメーカー業界に及ぼす影響は大きいとNPDディスプレイサーチは指摘している。
来年は年間ベースでノートPCを上回る
これに先立つ11月20日に同社は「北米でタブレットの出荷台数が今年10~12月期に早くもノートパソコンを上回る」という推計を公表していた。
これによると、同期間の北米タブレット出荷台数予想は2150万台。これに対し、ノートパソコンは1460万台となる見通しだ。
同社がその根拠として挙げている要因は3つある。
まず、米国ではパソコンの世帯普及率が70%と世界一の水準に達しており、新たなパソコンの需要が低下している。
次に、消費者の好みがノートパソコンからタブレットに移行していること。2011年における米国のタブレット出荷台数は前年比200%増で、今年は同46%増の5600万台に達すると同社は予想している。