米アップルが29日に発表したような経営幹部の大規模な役務再編は、一般的には今後起こり得る大きなトラブルの前兆と考えられる。だがアナリストらは今回の人事刷新を「アップルにとって必要な改革」と好意的に見ているようだ。

フォーストール氏の功績は大きいが改革は必要

11年米企業CEO報酬額、トップはアップルのクック氏

アナリストらは、今回の人事でティム・クックCEO(写真)を悩ましていた問題が解決されたと見ている〔AFPBB News

 アップルは29日、小売部門の上級副社長と、モバイル基本ソフト(OS)iOS部門の上級副社長の2人がまもなく退社すると発表した

 前者の小売部門の責任者については現在後任を探しているが、後者のスコット・フォーストール氏の後任は探さず、同氏の役務を4人のベテラン幹部に振り分ける。

 これにより、アップル社内で結束力が強まり、連携もスムーズになる。またこれまでティム・クック最高経営責任者(CEO)に重くのしかかっていた人事面での厄介な問題も解決されるとアナリストらは期待している。

 iOS部門の上級副社長を辞任したスコット・フォーストール氏は、故スティーブ・ジョブズ前CEOの秘蔵っ子で「ミニ・スティーブ」などと言われた人物。パソコン向けOS「Mac OS X」の初期からの開発者として各OSのリリースに携わり、その後同社の主力製品となったアイフォーン(iPhone)のOSを手がけるなど大きな功績を残した。

頭痛の種だった幹部同士の対立

 しかし同氏は、同じく重要とされる人物で、次期CEOの候補とも目されるハードウエア設計部門上級副社長のジョナサン・アイブ氏とたびたび衝突していた。海外メディアによると、フォーストール氏とアイブ氏はここ何年も、同じ部屋に一緒にいることを避けるほど激しく対立していた。

 幹部同士の不和はジョブズ氏がいた頃もあったが、同氏の統率力で諍いは抑えられていた。これがジョブズ氏亡き後のアップルでは問題が露呈し、クックCEOは頭を悩ましていたという。