ハードディスク装置(HDD)業界は昨年のタイの洪水被害から完全に回復し、出荷台数は今後4年、毎年過去最高を更新していく。その成長のカギを握るのが、米マイクロソフトの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」や、米インテルが提唱するノートパソコン「ウルトラブック(Ultrabook)」――。

米マイクロソフト、タブレット型端末「サーフェス」を発表

マイクロソフトのタブレット端末「サーフェス」〔AFPBB News

 こうした予測が米IHSアイサプライから公表されたばかりだが、この話にはまだ続きがあった。

 同社は1日、このうちウルトラブックの2012年における出荷台数予測が事前予測値から半減し、1030万台になると発表した

 またこれに伴い、2013年の出荷台数予測を従来の6100万台から4400万台に引き下げている。同社はその根拠として、ウルトラブックの価格帯がまだ1000ドル程度で高止まりしていることを挙げている。

売れる価格帯は600~700ドル

 IHSアイサプライはウルトラブックの普及価格帯を600~700ドルと見ており、この水準まで下がらなければ、2013年になっても不振が続くとしている。

 このウルトラブックとは、特定メーカーによる特定ブランドのパソコンではなく、インテルが自社のマイクロプロセッサーの需要を高めようと主導的な立場で自ら設計概要を定め、メーカーに製品の開発、製造を働きかけているもの。

 もともとは、薄型、軽量、低消費電力を特徴とする米アップルのノートパソコンの成功事例に倣った戦略と言われているが、メーカー各社の製品化に遅れが生じたため、当初の狙い通り普及していない。

 例えば、今回の2012年の出荷台数予測値は1030万台で、アップルが今年6月までの過去1年間に販売したノートパソコンの合計台数1317万台を下回っている。