米国のオンライン広告サービス会社、チティカ(Chitika)が行った調査によると、米アップルのモバイル基本ソフト「iOS」の最新版は、かつてないほどの速さで消費者に受け入れられている。

iPhone 5に先立ち旧モデルが最新版に

アップルが「iPhone 5」を発表、日本などで21日発売

アップルの新型スマートフォン「iPhone 5」〔AFPBB News

 アップルが最新版「iOS 6」の更新ファイルの配信を始めたのは9月19日。チティカはこの日と翌日の20日に米国とカナダにおける各端末からネットへのアクセス数を測定したのだが、それによると全iOS端末における iOS 6 の占める割合が15%に達した。

 iOS 6 の前バージョン「iOS 5」が20%に達するのに要した期間は5日。また米グーグルのアンドロイド(Android)の最新版「4.1(Jelly Bean)」が1.5%に達するのに2カ月かかったことを考えると、iOS 6 はものすごい速さで普及が進んでいるという。

 チティカによると、iOS 6 の配信が始まった19日朝の時点ではまだ1%にも満たなかった。しかし昼過ぎから急増し出し、20日の午前0時には8%に到達、その後も伸び続けて、同日早朝には15%を若干上回る水準になった。つまり配信開始からわずか24時間で15%に達したというわけだ。

 この更新ファイルが適用できるのは、アイフォーン(iPhone)の旧モデル「4S」「4」「3GS」と、第4世代のアイポッドタッチ(iPod touch)、そして現行のアイパッド(iPad)とアイパッド2だ。

 アップルは iOS 6 を標準搭載するアイフォーン5を21日に発売しており、10月には同じく iOS 6 を標準搭載する第5世代のアイポッドタッチを発売する。これらを含めると iOS 6 の導入率はさらに高まることになる。

■垂直統合型で「断片化」を回避

 チティカによると、アップル製品に最新OSの導入比率が高いのは、同社が垂直統合型の開発、販売手法を採用しているからだ。

 アップルは、ソフトウエアの開発からハードウエアの設計、開発、マーケティングまでを自ら手がけており、すべてが同社の一存で決まる。