マット安川 領土問題が加熱する中、横浜港運協会の藤木幸夫会長をお迎えしました。戦争はいけない、でも、このままじゃいけない・・・戦争体験者だからこそのより深いジレンマに、考えさせられるものがありました。

怒ることを忘れた日本、韓国に対しファイティングポーズを取れ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:藤木幸夫/前田せいめい撮影藤木 幸夫(ふじき・ゆきお)氏
横浜港運協会会長、藤木企業株式会社 代表取締役会長。 実業家として港湾産業の近代化に取り組み、また長く日本の港湾行政に携わる。(撮影:前田せいめい、以下同)

藤木 今回の竹島問題は、李明博(韓国大統領)さんが自分がどう延命するのかという、国内の問題をああいう形で出したわけです。それに対して、腰砕けのいまの内閣の対応は本当に困ったものです。日本人の魂がありません。

 カントは、人間の本当に大事なものは何か、最後に残るものは理性だ、と言っています。理性が人間のすべてなんだと。

 ただし、その理性にも限界があると。私は今そんな心境です。理性は大事、だけども理性ということを表面に出して、野田(佳彦、首相)さんは、冷静にとか、沈着に行こうとか、ことを起こさないで何とか解決しようとか言っている。

 こういう時は、理性は大事、そんなことは百も二百も承知。しかし理性で判断できないこともあるよと、そのくらいの、いい意味での物騒な発言をしてもらいたい。怒ることを忘れちゃっているんです。

 私が総理ならやることは決まっています。攻めますよ、あの国を。しかし、そこまで行っちゃいけない。私も少年時代に戦争を経験したから、そんな思いを子どもや孫にさせたくない。

 じゃあ何をするか。自分の家族、近隣の人々、日本の国を守るために、野田さんには意気込みだけでも聞かせてもらいたい。しっかりとファイティングポーズを取ってもらいたい。ファイティングは要らないけれども、ファイティングポーズは取ってもらいたいですね。

 ただし今回の問題は、韓国全体が悪いんじゃないんです。私は韓国人の友だちがいっぱいいますが、ほとんどがいい人です。問題なのは李明博なんです。

象の背中で犬に咬まれる

 そもそも国際司法裁判所に訴えるというのが情けないですね。日本全体に勇気がない。

 簡単なことですよ、みんなで勇気を持てばいいんです。そしてお互いに信頼し合おうと。同じ民族じゃないかと。それがなくて、世界に訴えたとか国連にタレ込んだとか、お母ちゃん助けて、なんてみっともないね。